● 餓鬼
【女子学生】「いやぁあああああああああああああっっっ!!!」
怯えきった少女の悲鳴が路地に響き渡る。
暗く狭い路地裏には生ゴミの匂いだけでなく、手入れをされていない獣のような異臭が充満していた。
悪臭を発しているのは少女に群がる、3つの奇形じみた小さな人影だった。
【女子学生】「きゃあああああっ、やぁっ、はなしてぇええっ! なにっ……なぁっ、何よ、何なの……っ!?」
それは子供ぐらいの背丈だ。
顔は醜悪な老人を思わせ、手足は枯れ木のように細い。しかし腹だけはでっぷりと丸く膨れていた。
昔話から抜け出した、餓鬼そのものといった姿だ。
【餓鬼A】「クキキ、大人しくシロ」
【女子学生】「ひぃいいいっ!?」
化け物がはじめて言葉をしゃべった。涎を垂らしながら、少女の白い肌に舌を滑らせる。
【女子学生】「いや! やぁっ! あなたたち……いったい、何なのよぉっ!?」
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